起業するに当たり、必要な準備はたくさんありますが、その中の一つにロゴの作成があります。ロゴはその会社がどういった会社なのかをイメージさせるために必要なもので、看板やパンフレット、名刺などに使われます。ちょっとしたマークではありますが、外から見た人に会社の印象を伝えるものなので、よく考えてデザインを練るべきものです。
ここでは、企業のロゴで使われるアイデアをいくつか紹介します。
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概要は決めつつも最終的にはプロのデザイナーに頼んだ方が良い
ロゴを実際に作る場合は、デザイナーに依頼する形になります。社内にデザインができる人がいる場合、やらせるという選択肢もありますが、正式なデータを作ってもらわなければ、後々困ることにもなりかねません。そのため、仕上げはできるだけプロの技術でやってもらうのが安心でしょう。
看板に使いたいから大きいサイズのデータが欲しい、と言われた時にすぐ対応できるなら、社内の人でも良いでしょう。
商標登録する場合のデータ提出などにも使うので、慣れている人に任せるのが安心です。ただし、デザイナーに丸投げしてしまっては個性も何もありません。方向性や色など、ある程度決めてから依頼するべきでしょう。ロゴを決めるに当たってその会社の業務の洗い出しが必要です。
と言ってもロゴは業務を羅列するものではありません。その会社にとって一番大切な業務がどれで、それをどのくらいアピールしたいかを確認する必要があるのです。会社名だけを表示するのではなく、会社名と一緒に主要な業務をアピールし、見た人にそれを理解してもらえるロゴが良いロゴと言えるでしょう。
始めに色使いは決めてしまって、会社名をどういった形で盛り込むか、そして業務をアピールするならどういった形にするか、などを決めてからデザイナーに依頼しましょう。
文字を主体としたデザイン
最も分かりやすく、使いやすいロゴは社名をスタイリッシュにデザインしたロゴです。特に会社名がアルファベットだった場合、それを格好良くデザインするだけでロゴが完成してしまいます。社名が長い場合は短縮表記などにして大文字と小文字を凝ってデザインするのも良いでしょう。
また、一文字だけ色を変えて強調したり、色を背景と反転させたりと、文字だけのデザインでもバリエーションはたくさんあります。大企業でアルファベット一文字のところもありますが、シンプルだからこそ目立つということもあるのです。
ただ、一番いけないのはどこかの大企業に似ているロゴになってしまうことなので、それだけは注意が必要です。
デザイナーが気付かないで似たものにしてしまう場合もなくはないため、出来上がったロゴは画像検索などでチェックした方が良いでしょう。文字のデザインは普通にたくさんバリエーションがあり、太字、斜体、そして2行に分けてみたり縦書きにしてみたり、デザイン案はいくらでもあります。
会社名が漢字だった場合は、よくあるアルファベット並記にすると本の表紙のような格好良さが出せます。
アルファベットの最初の一文字を大きくして強調したり、最初と最後を強調してまとめあげるようなデザインも良いでしょう。文字だけのデザインは比較的素人の殴り書きでもアイデアが生まれるため、社員から大量のラフアイデアを募集すれば、いくつかめぼしい物が発掘できるかもしれません。
アイコンやマークを主体としたデザイン
ロゴと言えばオリジナルのマークやアイコンが思い浮かぶでしょう。それをロゴと呼んだりもしますが、アイコンがあって企業名を文字として添える、そういった形のロゴはとても多く、まさにロゴらしいロゴと言えます。
アイコンは今では自動生成のプログラムもあるぐらいで、たくさんのアイデアがネット上に溢れています。また、クラウドソーシングなどでも個人デザイナーにロゴ作成を依頼するシーンが多く、それはコンペティション形式で行われるため、選ばれなかったアイコンを考えると恐ろしいほどの数のアイコンが作られています。
ここで使いたいのがその会社の主要業務で、デザイナーにそれを伝えるのが重要と言えます。例えばおもちゃメーカーなら玩具っぽい、親しみの持てるデザインと色使いが良いでしょうし、建築業なら木や鉄の色合いを出して家やビルっぽさのあるデザインが合うかもしれません。
食品メーカーならば柔らかくて美味しそうなデザインも合うでしょうし、服飾関係なら暖色系の温かみのある色合いが良いでしょう。もちろん扱っている物自体を加工してアイコンにも出来るので、おもちゃだったり家だったり、パンだったり帽子だったりをもじったデザインにすることもできます。
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のっぺりとした色使いのフラットデザイン
一時期流行っていたデザイン方法にフラットデザインというものがあります。アイコンやロゴを立体物として捉えて影を作るのではなく、平面として捉えてのっぺりとした印象に仕上げるデザインです。色もグラデーションさせずに単色で塗り潰します。
平凡に見えそうなデザインですが、逆にスタイリッシュに見えるため、今でもフラットデザインのロゴはたくさん作られています。文字を入れる場合も輪郭をハッキリとさせ、白なら白で単色で中を抜きます。文字は線を単体として捉え、明朝体のように太さと細さで強弱を出すとインパクトのある字体に仕上がるのです。
流行というのもあったのですが、流行とは関係なく元から採用している大企業もあり、シンプルさの中から格好良さとブランド価値をにじみ出させるデザインとして、かなり有効なものと言えるでしょう。
物をパーツとして捉えて配置する
ロゴデザインでは上手くパーツを使う手法も採られています。例えば手を使うことをアピールしたい会社なら、会社名の文字の横に手のマークをデザインします。それはリアルタッチではなく、シンプルな造形で、線だけでデザインされたものでも良いでしょう。
できるだけ会社名の文字と線のニュアンスを合わせて一体感を出します。海に関わる会社ならば、波をパーツとして使うのも面白い手法です。波は下部か、背景にあった方がそれっぽい感じが出るはずです。色は青で気持ちの良い明るめの色にすると、さわやかさが強調されます。
色の組み合わせには、その組み合わせによって抱かせるイメージというものがあるので、想定通りのイメージになる組み合わせを探し出しましょう。
デザインに正解はないがやれることはやるべき
企業のロゴはその企業の表札のようなものです。デザインに正解はありませんが、誰が見ても微妙に思う下のラインは存在するのです。社員が協力して知恵を出し合い、できるだけ独自性を保ったロゴを目指しましょう。最終的にはデザイナーに依頼して、コミカルだったりスタイリッシュだったりする、方向性の定まったロゴを完成させるのです。